フリーランスに最低報酬??政府検討について思うこと
2018年2月20日の日経新聞の朝刊記事に目を丸くした。
フリーランスとは会社にお勤めせず、成果に対してお金をもらう人だと思っている。
お勤めの方が、時間だけというのは乱暴かもしれないが、時間を基準としてお金をもらうのに対して、
フリーランスには、時間は関係ない。成果に対してもらう立場の人たちだ。
自営業・個人事業主を主にさすのであろう。
営業・値決め・販売・代金の回収
などすべてフリーランスは自分でやらなければならない。
そのフリーランスに最低報酬を設定するといっているのだ。
サラリーマンの最低賃金と同等の意味合いで考えているのであろう。
なぜだ?
記事によると、
企業と発注・請負の契約を結ぶケースが多いが、仕事内容の一方的な変更、不当に低い報酬や支払い遅延などのトラブルも相次ぐ。民間調査によれば約5割の人が、「収入が安定しない」ことが仕事を続けるうえでの壁だと答えている。
トラブル?当たり前だ。当たり前でしょう!!!
民間の調査によれば約5割。とは誰に聞いた。
私の周りのフリーランスはこんな、ちっぽけなこと言ってないぞ。
それがフリーランスでしょう。
自分の力で自分で交渉して自分で値決めして、回収するまでが自分の仕事なわけです。
すべて自分でやるわけです。
相手が無理なことをいってきて、それに対して交渉するのも自分の責任。
その相手を選んだのも自分の責任なわけです。
それがフリーランス。というか仕事でしょう。
相手は人間です。何を考えているかわからないのだから、何が起きてもおかしくない。
むしろどうなるかわからないから、仕事を多めにとるなどの工夫もしなければならない。
それが仕事でしょう。というか、フリーランスでしょう。
厚生労働省内で今後、具体策を詰める。発注側の企業にはフリーランスとの間で結ぶ契約を書類上で明確にし、納品から報酬を払うまでの期間を定める。口頭での契約にとどまる事例も多いためだ。
だから、口頭契約にしちゃったのも自分の責任でしょう。
国がなぜ、そこまで丁寧に決めてあげるのか。
自分の事業なわけです。自分の責任。自分のけつは自分でふけ。
支払時期について
発注者に対して納品から一か月以内に対価を支払うことなどを規定
うん。業界の慣習によって支払時期など様々です。
これフリーランスだけの法ってことは、個人にだけは早く払って、法人には今までどおりの支払時期で払ってもいいってことですよね。
そしたら、逆に使い勝手の悪いフリーランスなんて使いませんよ。
整備されると困る人もいますよ。
最低報酬について
企業と雇用契約を結ばない場合、一連の労働法制の対象に原則ならない。1日8時間の法定労働時間のほか定期健康診断の実施といった措置が適用外。最低賃金にあたるしくみもない。
当たり前だ。当たり前だ!
最低賃金にあたるものがないのが、不思議である。といわんばかりの書き方ではないか。
市場の原理通りのことが起きるのがフリーランスの世界である。
いいものをつくれば高く売れる。
いまいちであれば安くしか売れない。というか、誰も買ってくれない。
ただ、それだけだ。
最低報酬をつくることにより、だめなサービス提供しかできない人でもお金がもらえるのか?
という話になるが、
結局何も変わらないだろう。
今と同じだ。
だめな人は使わない。いい人しか使わない。
これは最低報酬を規定したところで何もかわらない。
むしろ、最低報酬なんて法律をつくってしまい、安易に会社を辞める人が増えてしまうのではないか
不安である。
いくら最低報酬があったとしても、営業は自分でしなければならない。
営業できますか?
社会保険、今まで会社が半分折半してくれてましたが、全額自分になります。
考えてますか?
雇用保険加入しません。
産休育休ありません。いいですよね?
住宅ローンの審査。通りにくくなりますよ。
大丈夫?
といったようなことまで考えてない人間の安易な起業が増えるのではないか懸念している。
フリーランスのデメリットは全く伝えず、安易なフリーランスを増やしかねないではないか。
労働者、フリーランス。
最低賃金、最低報酬。
会社が従業員の社会保険を半分負担しているのは常識だが、
従業員がフリーランスとなりフリーランス契約となれば、会社は社会保険を負担しなくてよくなる。
ありがたいことだ。
今の労働基準法だと、無能な社員でもすぐ解雇は難しい。
しかし、フリーランスであれば、契約にもよるが、ビジネスライクに接することができる。
むしろ私は常々、時間契約の会社員ではなく、業務単位で契約するフリーランス契約が一般的になればいいなあと思っていた人間だ。
しかしだ。
今回の法案は、フリーランスの厳しさを全く伝えず、むしろ会社員より働きやすいやり方があるんだよ?と思わせるようなものだ。
フリーランスは厳しい。最低報酬なんてあったって、使えない人間は誰も使ってくれない。
だからこそ、安易に独立はしてはいけない。
フリーランス的な働き方を推奨している私ではあるが、この記事はいいことしか書いていないので、
本当に腹がたった。
フリーランスは何にも保護されない。
こんな制度に守られたい奴は、フリーランスになってはいけない。焼けどするぞ。
勇気のあるサバイバルしたい奴は、どんどんフリーランスになれ。
そんなサバイバーな奴だったら、私が確定申告してやってもいいけどな!!!爆
この記事を書いた田村です。
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S59生まれのアラサ-人妻税理士。
2018年12月に処女作『ブスのマーケティング戦略』を発売。
ジャックダニエルとメガネ男子が好物。
昼は、チャリで駆け回るフットワークの軽さだけが売りの税理士。法人、個人問わず、会計税務の問題を解決するために日夜奮闘中。
目標なき成長はなし!と女子っぽくない暑苦しい一面をもっている。
しかし、夜は昼から一転。北千住を一人で飲み歩き、店員さんに絡むことが唯一の楽しみという一面ももっている。
家族構成:夫・娘(5歳)
愛読書:週刊SPA
大好きな作家様:水野敬也先生・カレー沢薫先生
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